秋から冬にかけて

秋から冬にかけて

 

 名古屋の夏というのは、本当に厳しくて、もう永遠にこのまま 暑さが続くのではないだろうかと心配になる程、今年も酷暑でした。10月に入り、ようやく涼しくなったかと思えば、今度は急に寒くなる。心地よい秋を感じることがなかなか少なくなってきた気候変動は秋生まれの私にはちょっと不満です。それでも、ここから冬に向けての季節の移り変わりを存分に楽しみたい、そんなことを感じている今日この頃です。

 さて、この季節の子どもたちの様子です。秋から冬にかけて、子どもたちは集中力が増していく季節となります。集中力が増すということは、感性が研ぎ澄まされていくということです。

アトリエもいつもに増して集中して静かな時間が心地よい時間となっています。

 作品を作り始めると、最初のうちは ざわついていた教室も次第に、静まり返っていきます。私は何年この仕事をしていてもこの時間が大好きです。こどもたちが自ら自分に集中していく。人から言われるのではなく 自分に没頭していく時間を持つ。この心地よさを「知っている」こどもは自己肯定感がとても強くなっていくことを感じています。

 季節の子育てとしては ここからはこどもたちにはぜひとも考える時間を作ってあげたて欲しいと思います。この仕事を30年続けてきて感じることは、子どもたちには「ボーとすることに集中する時間」が本当にとっても大切だということ。

 子ども時代に色々なことに思い巡らせる自分時間は自分の人生を決めていく!なんて大げさなくらいにとっても重要だということを、大人はもっと知っておくことが大切だと思います。どうぞ、こどもたちに「自分時間を大切にする」ことを教えられる大人でいてください。

 自分の好きな本を読んだり、好きなことを考えたり、集中して取り組んだりする豊かな時間を過ごした子どもたちは20歳以降の生き方に影響を与えていくと感じています。

 私も今でも印象的な風景をいくつも覚えています。小学生の頃、夜明け前に目覚めて、窓からずっと日の出を見ていた朝。石ころしかない海岸で素足で海に向かって手を広げていたこと。高校時代に、友達と屋上で寝転んで見ていた空と雲。なんでもないけどかけがえのないたくさんの時間が今の自分を作っているのだと感じています。

〜素敵な秋の1日を〜

 ただ、昔と違うのは今 こどもたちの周りに、ゲームや携帯、SNSなどデジタルな情報がたくさん増えているということでしょう。全てから遮断させることは難しいかもしれません。だからこそ今年の秋は お休みの日だけは、自然の中で、親子でぼーっとする時間を大切にしてみてはいただけないでしょうか? 親も1日、携帯電話を置いて ただただ 空を見る。1日が無理なら 夕日が沈むまでのひととき、何でもない秋の1日がきっと一生の思い出になると思います。

みなさまが素敵な心の1ページをこの秋に綴られますように!