アトリエの豊かな時間

アトリエの豊かな時間

甘えっ子の○くん ママと一緒にいる時は いつもママにべったり 
手を離してママとバイバイ いつも泣きそうな顔している。

そして、、、アトリエの扉が閉まったとたんに
態度が急変してオレオレなおれ様

オレは小学一年生なのさ
アトリエの中に入ったら ちびっ子幼稚園さんもいっぱいのクラスだからね
僕は頑張らなきゃいけないのさ

ということで
なんだかもうね、一番後ろの席を 陣取ってちゃって隣の子に話しかける

「もうさ、聞いてよね 学校の先生ったらさ自分だけマスク外してさあ
こどもにだけ マスクしろっとか言うんだよね
いやはや全くさあ」
誰に言うわけでもないけど、色々なことを話し始める。
「ふうん」と、授業の準備をしながら 相槌を打ってくれる 大人な小学生女子
あははは

そんなこんなで アトリエの中ではあちらこちらでそれぞれの 学校のアレやこれやを口にする。さてさてさてお次のクラスは小学生高学年のクラスここでも

「ねえねえ 今日の給食なんだった?〇〇小は、今 名古屋飯やっててねえ、名古屋飯はいいんだけど他の日のメニューがなんか ちょっとねえ バランスよく出してほしいわよね」

などなどなど、、、
そんな女子のお喋りの隣では

高学年男子たち
「おれさ また ふられちゃってさ 」
「ええ?また? お前さあ〜この前もさあ」

アトリエに通うこどもたちは学校も違うし年齢も違う ああでもない こうでもないと 気兼ねなく
喋りたいことを喋ってる。たわいもないことかもしれないけどね 

こどもだってね、なんでもないことでも 喋れる場所って必要なのよ、喋らなくてもね みんなニコニコしてなんだかわかんないけど話し聞いていたりするのよね。そしてなわとびみたいに、いつ話しの輪に入ろうかとうずうずしている。そんな子と目があった時には 笑顔でうなづいてあげる。すると 途端に安心した顔を みんなする。そうなんだよね。共感して、見守る人がいるだけでいいんだ。大丈夫だよ。こどもたちは時間をかければみんな なりたい自分になれるんだ。見守る時間も大事。

授業が終われば 終わったで ママ パパ 混じって大賑わい。高校生のリーダーKくんは得意な数学とアートの共通項を熱弁している。それを小中学生とお迎えのパパママが聞いている。あっちではママどおし情報交換。その隙間で新しい絵本を眺めながらママのお喋りが終わるまで待っている子。喜一せんせの四方山話に耳を傾けている中学生男子。

そして、それを 事務仕事しながら(ああ なんだか この空間 いいなあ 好きだなあ 幸せだなあ )と、、 眺めている 敬子先生なのでした。

学校でもなく 家でもない ここは アトリエ

ワイワイがやがや プログラムだけが自慢じゃあないの。 豊かで、ゆったりとした時間が流れているこの隙間時間が私は大事にしたいとずっと思ってきたこと。なあんて、言葉にしちゃうと、かっこ悪いけどでも、でも、本当に、ここ大事にしたいことなんだなあ。

言葉だけでは表すことのできないこんな 空間と時間たっぷりと味わって 大人も子どもも ここで 
ゆっくり のびのびと成長してほしいなあと思って見守っています。