本物を見極める力を育てるには②

すご〜く 長くなってしまいました(笑)でも メモのために 書いておきますね〜

 どうしたら本物を見極める力を育てられるのか?

実はとても簡単なことです。本物に触れさせて育てれば良いのです。

目に見えるもの 耳に聞こえるもの 舌で味わうもの 手で触れるもの 鼻で嗅ぐもの

五感で感じ取る世界を本物で満たせば見極める力は自ずとついてきます。子どもにとって自然の中で思いっきり遊ぶ体験というのは「本物を感じ取るセンサーを育てる」一番簡単な方法でもあります。

自然の中で育てること

これが一番です。小さい頃、特に小学生に入るまでの幼少期を朝から晩までとにかく自然の中で子育てをすること。これが何よりも一番 体に本物を判断するセンサーを鍛えて染み込ませる方法です。

これについては「フォレスト」という本に一冊にまとめたので、いつか手に取る機会などありましたら!

今日は街の暮らしの中での芸術体験について

子どもの芸術体験について

 芸術的な感性を育てるために、小さい頃から音楽や楽器に触れさせること、ARTに触れさせることは 子育ての中で、親としてとても重要な仕事の一つです。なぜなら芸術鑑賞という趣味を持つことは 人生の幅を大きく広げてくれるからです。大人になってからの楽しみの幅も広がります。そしてもし苦しいことや辛いことが訪れても、美術館やコンサートにいくことで気分転換ができる方法を、教えておくことは、永遠には子育てできない親にとっては お守りを授けるようなものかもしれません。困った時に困らないスキルの一つとしても、ぜひ大事にして観てください。

でも小さい子どもをどうしたらコンサートや美術館に連れて行けるの?

◎歩く前から美術館という場所に連れていく(場所慣れさせるため)

◎歩き出したら 美術館は 庭や、常設展など お金のかからないものや場所に連れていき、ぐずったりしたらすぐに連れて帰るを繰り返す。公共の場でのマナー、迷惑はかけないということも教えること。

この時に重要なのは叱らないということ。叱ると、美術館が楽しくない場所として記憶してしまいます。また美術品は触らないというのもしっかりと守りましょう。

◎自分が鑑賞したいものは子どもを預けてゆっくりと見る。連れていくなら途中でぐずったら、退場することを覚悟して観る。(周りには迷惑をかけないのは大前提です)
ママ パパに負担がかかることを減らすのも大事なことですね。自分が見たい!という欲求も満たしましょう。

◎美術館は公園と併設になっているところが多く、建物や庭も美しく整えられています。館内に連れていくハードルが高い場合には、周りを散策するというのだけでも良いですね。子育ての気分転換にもなります。気候の良い日には 可能な施設であれば(確認してくださいね!)お弁当など持って美術館の庭でピクニックも良いですね。常設してあるオブジェなどもあるところが多いので、子どもとARTの写真はきっと絵になります!

〜神社や寺院に連れていく〜

そして!!私が 最もおすすめするのは お寺や神社やお城にいくこと!!!日本には 世界に誇れる美術品が山盛りたくさんあるのです!!そんなARTに触れることのできる場所に神社仏閣やお城があります。建築も、内装も襖絵や仏像、とにかく国宝がたくさん観ることができるのも特徴!庭もありますし、厳かな雰囲気も味わえます。私は仏教美術が大好きなのですが、これも子どもの頃に法事で出かけていた京都の寺院の天井画に魅せられたのがきっかけでした。近所にもきっと良い絵を持っているお寺などあるはずです!観光に行った時にはお城など、ぜひ観に行ってください。神社仏閣やお城でしたら子ども連れのハードルも美術館よりは低いので、気楽に連れて行けるのではないかなと思います。日本の歴史を学ぶのもやはり美術から入るのはワクワクしますよ!日本美術!!ものすご〜〜〜〜くおすすめです!!

子どもの頃から芸術的感性を育てる方法

さて!以下はもう少し 日常の中で 芸術的感性を育てる方法!参考になれば!?

◎音楽について

お家の中で、とにかく音楽を流しておくというのも一つの方法だと思います。これ、、言って良いのかどうか、悩みますが(笑)実は、私、娘たちに実験したのです。長女はお腹にいる頃からずっとクラッシックを聴いていました。生まれてからも一歳ぐらいまで家の中でずっと流していました。たまたま、父の趣味のクラッシック全集という100枚セットのCDが家にあったためそれを毎日とにかくただ流していましたのです。当時、「胎教」というのがブームでしてこれにのっかったわけです(笑)長女の時はもうね、何だか色々と頑張ったわけなんです。が、、、次女の時には、これまた自分が大好きな1960年代70年代のロックばかりを流してみました。正直、こんなことが何が変わるのだろうか?と疑問に持ちつつ、、、基本的に、自分の好きな曲を流していたというのが、正解です!!(笑)

 さて、20年以上 の歳月が経ち今どうなっているか?

長女は 中学の合唱部で歌に目覚め 高校から音楽高校に行き 大学も音大で、声楽科を専攻、オペラを勉強して現在は小学校の音楽の先生をやりながら歌の活動を続けています。親もびっくり クラッシックどっぷり音楽どっぷりの生活を現在も続けています。

 反対に次女は、現在クラッシックは興味なく小学生の頃から 勧めたたわけでもないのに、クイーンを聞き、高校生の頃から音楽フェスに出かけ、先日には「お母さん!ディープパープルが来日するよ!」と連絡をくれました。彼女が小学一年生の時にディープパープルの来日公演に連れて行っていたことは、覚えていませんでしたが、これには私も驚きました!

 いやはや、、ここまで、二人に違いがあると、正直申し訳ないような、何というか、、せめて、半分づつ聞かせていればと、少しだけ反省しています。でも、それが二人の個性にはなっている、、とは思っているのではありますが、、いや〜体験ってすごいですねえ〜(ワハハ)

あと、よく機会を作って 市などが主催する子どものためのコンサートに連れて行ったり、おやこ劇場という親子で演劇など舞台をみる子育てサークルに参加して4歳の頃から舞台をたくさん見せてきました。

ピアノを習わせるまでしなくても、音楽に触れる機会は探せば今たくさんあります。音は、とにかく生音が良いですね。クラッシックなどは特に生音演奏はデジタルに流れてくる音楽とは全く体感が違います。まずはあの違いを小さいうちに体験させてあげるということはとても大事だと思います。

ぜひ近くの文化施設で開催している子ども向けのコンサート探してみてください。

◎美術について

ベビーカーの頃から 美術館に連れて行ってました。抱っこひもで抱えて観れるうちは抱っこしながらよく行きました。歩き始める頃は流石に、入場券を買って一緒に入ることは難しかったのですが、美術館は建物の周りにも彫刻やオブジェが置いてあり、庭も整えられているところが多いので、無料で入れるところによくお弁当を持って遊びに行っていました。よく「聞き分けができるようになってから連れていきます」という声を聞くのですが、大体聞き分けがよくなる小学生の高学年ごろに連れて行っても美術館に行くという習慣がないと「行かない」と言われるパターンが多くなっています。特に男の子の場合、照れ臭さも出てきて、なかなか場慣れしていないところに行くことは難しくなっていきます。よっぽど興味があるお子さんでないと、いきなり、美術も音楽も「物心ついてから」スタートするのは、やらないよりはもちろん良いですが、ハードルが高くなっていきます。ぜひ!お子さんが小さい頃から、雰囲気だけでも恐れず!美術館体験して観てください!!

 もし、それでもやはり、ハードルが高いという場合は、ママだけでも、パパだけでも、音楽と美術に触れる機会を作ることおすすめです。大抵、親が芸術に関心のあるお子さんはちゃんと受け継いでいかれることが多いです。

(子どもと美術館についてはまた 詳しく書きますね!)

子どもの頃から本物に触れる大切さ

 私がまだ 小学生だった頃、父の実家が戦前まで京都で呉服屋を営んでいたこともあり、呉服屋さんに連れていってもらったことがあります。老舗の呉服屋さんの大きくて古めかしい門をくぐり、美しく整えられた庭を抜けて 廊下を渡り 薄暗い和室に通されて、たくさんの着物を出してもらいました。部屋いっぱいに広がる色の洪水。絵柄がまるで宙に浮いているかのような艶やかさ。あの時の様子は今でも映画のように鮮明に記憶しています。驚いて目を丸くしていたであろうそんな私にお店の方が「どうぞ手にとってごらんなさい」と美しい着物をふわりと手渡しされたのです。それを見た母が慌てて「子どもにそんな大切な着物を持たせるなんて!」と声をかけたのですが、そのご主人は、「いいえ、子どもだからこそ、触って覚えてほしいのです。大きくなったらたくさん買うてもらう未来のお客さんですから、子どもは本物に たんと触ってもらっておかないと。」と母に言い、そして私に「絹の本物の手触りをよく覚えておいてくださいね」と声をかけてくれたのです。あの時の正絹のどっしりとした重みと滑らかくてまるで水を含んでいるかのようにしっとりとした手触りは今でも手に残っています。それから「手触り」は私にとってはとても重要なセンサーになっているのです。そしてあの時の「子どもに本物を」という言葉は今でも私のっ教育指針でもあります。今私は、その「言葉」と「手触りセンサー」を使って30年仕事をしていると言っても過言ではないでしょう。

子ども騙しはしない

◎アトリエで心掛けてきたことの一つに子どもを子ども扱いしないというのがあります。子どもたちには理由をきちんと説明し、なぜ今これをやるのかということを一つ一つ丁寧に教えていきたいという気持ちがあります。なぜ本物の工具を使うのか?なぜ この素材を使うのか?なぜこの作り方をするのか?真摯に伝えていくことに努めています。

 「子どもには難しすぎるのではないですか?子どもにはわからないのではないですか?」とよく言われます。でも子どもは 頭ではもちろん理解できてはいないかもしれませんが、体はきちんと記憶していきます。むしろそれが大事だと考えています。

「子ども騙し」という言葉がありますが この仕事を続けていて子どもたちから教えてもらったことは「子どもは騙すことができない」ということです。子どもは育てたように育ちます。騙しもので育てた子どもは

それが全てだと覚えていきます。だからこそ、子どものうちから本物を見せて、聞かせて、味あわせて、嗅がせて、そして触らせたい。そう思っています。

ソダテルLABOでは 本物の素材、工程、工具を揃えて子どもたちに体験の場を提供しています。

ぜひ 子どもには「本物」を!体感で得た「本物」を次世代を作る軸にしてもらえればと思っています!